2008年3月16日日曜日

開拓の志、生き生き 道、戦前フィルム公開へ

戦前の道内の様子を収めた16ミリフィルムの映像が、撮影から七十年余りの年月を経て今月末、一般公開される。一九三六年(昭和十一年)に来道した昭和天皇に献上するために、道が作成したもので、当時の人々の暮らしぶりや産業、手つかずの自然、札幌など主要都市の姿を生き生きと映し出している。北海道全体を紹介する動画としては最も古い映像だ。公開に先立ち、貴重な映像から切り取った「在りし日の北海道」の一部を紹介する。
 フィルムは献上以来、天皇家が保管していたが、昨年六月、苫小牧市で開かれた全国植樹祭の際に、現在の天皇陛下から道に寄贈、返還された。
 16ミリフィルムで十四巻、約三時間十分。北海道新聞社の前身である旧北海タイムスと小樽新聞社が委託を受けて撮影した「産業・自然・都市」、移民招致を目的に作られた「北海道拓殖実習場」の宣伝映像、作成者・作成年不明の「雪中の軍事教練」で構成されている。
 ただ、フィルムは撮影から長い年月が経過している上、保管していた御仮寓(かぐう)所(東京都小金井市)の火災などで著しく劣化。道は、古い映像の修復などを手がける大阪の専門業者に依頼し、ようやく復元に成功した。
 DVDに収容し、今月末から札幌市中央区の道庁赤れんが庁舎の文書館で一般公開するほか、ダイジェスト版をインターネットでも公開する予定だ。

(北海道新聞より引用)

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