二十三日から二十四日にかけて襲った冬の嵐は道内各地で交通網を寸断、列車の乗客やドライバーは寒さにこごえ、夜を明かした。道内国公立大は二十五日から始まる入試の延期などを余儀なくされた。
約百台の車が立ち往生した空知管内長沼町の国道274号。二十四日朝も地吹雪は依然激しく視界はほぼゼロ。吹きだまりに行く手を阻まれたトラックや乗用車などが数十メートルおきに身を寄せ合うように朝を迎えた。
「進もうとしたが一メートル先すら見えなかった」。車内で夜を明かした北広島市の男性会社員(26)は疲れ切った表情。前夜、同僚から「立ち往生している間にガソリンがなくなった」と連絡を受け救出に向かったが、自分も巻き込まれた。
千歳市長都の市道などでもバス五台を含む百台以上が雪に埋まった。札幌市の会社員三浦洋史さん(39)は釧路から車で帰る途中、二十三日夜、抜け道を通ろうとして雪にはまった。十五時間ぶりに自衛隊が救出、「寒くて命の危険を感じた」。
JRも札幌発の特急スーパー北斗22号が苫小牧市の沼ノ端駅で立ち往生し、二十四日午後三時半ごろ、十七時間遅れで函館着。二十時間車内にいた函館市の主婦鈴木和子さん(60)は「昨晩から何も食べていない」と疲れた表情だった。
二日間連続で欠航が相次いだ新千歳空港。国公立大入試が二十五日に迫り、受験生は一様に不安そうに搭乗を待ち続けた。宮城県の大学を受ける札幌東高の戸田拓磨さん(18)が搭乗予定だった二十四日午後の仙台行きは数時間遅れ。「早めに現地に入れば良かった」と困り切っていた。
(北海道新聞より引用)
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