2008年1月18日金曜日

作業時間が半減の新型暗渠材 製造販売を全国展開へ ライフステージ企業組合

 新技術開発を手がける道内中小企業の連携組織、ライフステージ企業組合(札幌、塩谷浩之介理事長)は独自開発した新型暗渠(あんきょ)(地下排水溝)材「スーパー暗渠」の製造・販売先を全国に拡大する。施工の容易さがうけ需要が急増しており、工場稼働率低下に悩む道外のコンクリート二次製品メーカーと提携し、三年後の年間売上高を現在の四十倍の二十億円に高める。
 農地などの排水に用いるスーパー暗渠は、細かく破砕した廃発泡スチロールをセメント系固化剤で固め、内部に管を通したもの。現場で管を敷設してから砂利を掛けるなどの手間のかかる従来工法と異なり、作業時間を半減できる。
 二○○一年に開発し、道内での製造・販売先を倶知安コンクリート工業所(後志管内倶知安町)に委託し、土木建築業者向けに年間五千万円程度を売り上げている。価格は一本三千-六千円で、○五年度には道の北海道認定リサイクル製品の指定も受けた。
 製造・販売先の拡大は東北から着手。コンクリート二次製品製造の池田東北(福島県鏡石町)に技術供与し、昨年八月から宮城県の工場で生産に着手。今夏にも福島、岩手両県でも生産開始の予定だ。福井、岡山、山口、熊本、沖縄各県の中小メーカー計十五社とも交渉中で、このうち五社への生産・販売委託が内定。池田東北を含めた全十六社が本格的に生産すれば、年産五十万本(約二十億円相当)に達する見通し。
 下水道に用いるヒューム管やU字溝のほか電柱などのコンクリ二次製品メーカーは、公共事業削減で工場稼働率の低下に悩んでいる。スーパー暗渠はコンクリ二次製品の製造ラインを生かして製造できるため、工場の有効活用と収益性向上につながるという。

(北海道新聞より引用)

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