2008年1月30日水曜日

病状10カ月確認せず 介護タクシー不正 滝川市検証委、対応の不備認める

介護タクシー料金不正受給問題に関する滝川市の内部検証委は二十九日、市の対応を検証する中間報告書をまとめた。「(実務を担当した)市福祉事務所の職務執行に違法性は問えない」とする一方で、「問題ケースとして認識・対応する体制が取られたか疑問」などと不備を認め、再発防止に向け組織的な対応を求めた。
 報告書は札幌への通院名目で滝川市から約二億四千万円を受給した夫婦への支給記録や、担当職員への聞き取り調査を元にまとめた。介護タクシー利用は医師の診断や道の事務監査に基づいたことや、タクシー利用を証明する会社そのものが受給者と共謀した点を踏まえ「支給はやむを得えず、犯罪を見抜くのは困難だった」と結論づけ、福祉事務所の職務の違法性を否定した。
 ただ「医師の診断や道の監査を尊重するあまり、市民感覚から離れた支給が行われた」と、対応姿勢を疑問視。事務処理などの問題点として《1》支給期間中、主治医への病状確認が十カ月空いた《2》滝川市に先立ち、夫婦に約四十万円を支給した実績のある札幌市に対し、支給状況を詳細に確認していなかった《3》滝川市内の業者など複数の見積もりをとらなかった-など、十二項目を指摘した。
 その上で再発防止策として、「問題のある受給者に対しては、担当者間で十分な引き継ぎをするなど、福祉事務所として組織的に対応すること」を求めた。
 滝川市では中間報告書とは別に、週内にも福祉事務所が独自の検証結果をまとめ、道と厚生労働省に報告する。一方、同市は三十日に、学識経験者や弁護士、市議会議員OBら八人で構成する第三者委員会を設置。中間報告を元に議論を進め、三月中をめどに最終報告をまとめる方針だ。

(北海道新聞より引用)

2008年1月23日水曜日

片岡球子さん死去

「あんたは絵描きになる」と級友に言われたのは庁立札幌高女(現札幌北高)のころだった。医師志望だったが、その瞬間に画家を目指す決意をした。百三歳で亡くなった日本画壇最長老の片岡球子さんだ▼二十五歳で院展に初入選した。その後に七回落選し、落選の神様と呼ばれた。絵描き仲間は「落選が(自分に)うつる」と避けて通る。落ち込んだ。電車に飛び込もうとしたこともあった▼だが若いころから個性豊かだった。五十歳をすぎ、さらに大胆になる。生涯の仕事である「面構(つらがまえ)」では浮世絵師たちにもほれ込んだ。「時の権力に屈せず生命を張って描き続けた」。自分にとって神様ともいえる存在だと語る▼奔放とされた自らの画風について「いやというほどたくさんな色を、遠慮会釈もなく、しゃにむに使って描く」と振り返っている。北国で育ってきたのが幸いした。秘密は札幌の春にある▼「五月六月は花らんまん、桜も梅も桃も藤(ふじ)も、そしてライラックやアカシア、牡丹(ぼたん)、花菖蒲(はなしょうぶ)に至るまで、一度にどっと咲く。そのあざやかさ、美しさは北国でなければ味わえない独特の美観です。ひとりでに多彩な色感を胎内に宿すことになります」(「片岡球子の言葉」)▼主に東京や名古屋で活躍したが、道内でもよく展覧会があった。百歳を超えて毎週デッサンを続けた。熱情に満ちた、明治の、そして北海道の女性だった。

(北海道新聞より引用)

2008年1月18日金曜日

作業時間が半減の新型暗渠材 製造販売を全国展開へ ライフステージ企業組合

 新技術開発を手がける道内中小企業の連携組織、ライフステージ企業組合(札幌、塩谷浩之介理事長)は独自開発した新型暗渠(あんきょ)(地下排水溝)材「スーパー暗渠」の製造・販売先を全国に拡大する。施工の容易さがうけ需要が急増しており、工場稼働率低下に悩む道外のコンクリート二次製品メーカーと提携し、三年後の年間売上高を現在の四十倍の二十億円に高める。
 農地などの排水に用いるスーパー暗渠は、細かく破砕した廃発泡スチロールをセメント系固化剤で固め、内部に管を通したもの。現場で管を敷設してから砂利を掛けるなどの手間のかかる従来工法と異なり、作業時間を半減できる。
 二○○一年に開発し、道内での製造・販売先を倶知安コンクリート工業所(後志管内倶知安町)に委託し、土木建築業者向けに年間五千万円程度を売り上げている。価格は一本三千-六千円で、○五年度には道の北海道認定リサイクル製品の指定も受けた。
 製造・販売先の拡大は東北から着手。コンクリート二次製品製造の池田東北(福島県鏡石町)に技術供与し、昨年八月から宮城県の工場で生産に着手。今夏にも福島、岩手両県でも生産開始の予定だ。福井、岡山、山口、熊本、沖縄各県の中小メーカー計十五社とも交渉中で、このうち五社への生産・販売委託が内定。池田東北を含めた全十六社が本格的に生産すれば、年産五十万本(約二十億円相当)に達する見通し。
 下水道に用いるヒューム管やU字溝のほか電柱などのコンクリ二次製品メーカーは、公共事業削減で工場稼働率の低下に悩んでいる。スーパー暗渠はコンクリ二次製品の製造ラインを生かして製造できるため、工場の有効活用と収益性向上につながるという。

(北海道新聞より引用)

2008年1月13日日曜日

あすにかけ道内、厳しい冷え込み

道内は強い冬型の気圧配置によって十二日も冷え込み、十三日にかけて今冬で最も厳しい寒さとなりそうだ。
 札幌管区気象台によると、十二日朝の最低気温は十勝管内大樹町で氷点下二四・六度、釧路管内弟子屈町川湯で同二三・八度を観測するなど、各地で冷え込んだ。正午現在も稚内が同九・四度、名寄が同八・二度、札幌でも同六・四度と低いままで推移した。
 同日の日中最高気温も稚内で同八度、旭川が同七度、札幌が同六度などと予想され、道内は軒並み真冬日となりそうだ。
 同日夜からは北海道の上空五千メートル付近に氷点下四二、三度の寒気が入り込む。この影響で十三日朝は北見で同一五度、旭川で同下一一度など、各地で氷点下一○度を下回り、日中も冷え込みが続く。水道管の凍結などに注意が必要だ。日本海沿岸などでは風雪も強まり、空知地方では大雪が予想される。

(北海道新聞より引用)

2008年1月10日木曜日

従業員ら行進 火災ゼロ誓う 札幌 地下街で出初め式

 札幌市中央区のさっぽろ地下街で八日、地下街消防出初め式が行われた。各店の経営者や従業員でつくる自衛消防隊員が行進し、火災のない安全で快適な地下街への決意を新たにした。
 地下街のオープン以来続く伝統行事で、三十六回目。そろいの法被を着た隊員百九十八人がまといや横断幕を掲げ、市消防音楽隊の先導で地下街約一キロを行進した。
 行進後の式典では、地下街を管理する札幌都市開発公社の野川晃一社長が「七月の北海道洞爺湖サミットに向け、どこよりも安心してショッピングを楽しめるようにご尽力いただきたい」と訓示。最後に地下街商店会の五十嵐久良理事長の音頭で一本締めをし、火災ゼロを誓った。

(北海道新聞より引用)

2008年1月6日日曜日

がん制圧へ夜通し歩く 「命のリレー」室蘭で 患者、支援者が8月に

がん患者と家族らが、語り合いながら競技場などで夜通し歩き続け、病気への理解や支援を訴える世界的な対がん運動「リレー・フォー・ライフ(命のリレー)」が八月、道内で初めて室蘭で開かれる。テーマは「がんに負けない『命の一歩』」。道内の患者ら約三十人の実行委が、今月から本格的な準備に乗り出す。
 計画では八月三十、三十一の両日、同市内で開催する。場所は選定中。がん患者や家族、支援者らが五人以上のチームを組んで参加。最初の一周はがん体験者全員で、以後は翌日まで参加者が無理せず交代で二十四時間歩き続け、最後の一周は参加者全員でフィナーレを飾る。
 コースの周りでは、がんを知るためのイベントやコンサートなども開き、一般の人たちにも支援を訴える。集まった寄付や収益は日本対がん協会などに贈る。
 実行委員長で伊達市の主婦金子明美さん(39)は「がんのことをもっと知ってもらいたい。患者には、『一人じゃない、仲間がいる』という勇気を与えたい」と話す。
 金子さん自身も二週間ごとに抗がん剤治療を受けており、患者と家族の会「フォーエバー」代表だ。三年前にテレビでこの運動を知り、昨年九月の東京の大会に参加。「感動し、エネルギーをいただいた。北海道でも開きたい」と、インターネット上の日記(ブログ)などですぐに呼び掛け、賛同者を募った。
 昨年十二月、札幌で開いた初の実行委には二十数人が参加した。入退院を繰り返したり子育て中の患者もいるが、「誰かのために、何かしたい」と気持ちは同じ。患者の家族や遺族、それに「患者の気持ちに近づきたい」という医療者も加わり、金子さんとともに実現を誓い合った。
 金子さんは「二人に一人はがんになると言われる。自分は大丈夫ということはない。がんに対する意識を広めるため、小さくてもいいから一回目を成功させ、道内各地で開かれるようにしたい。患者がゼロになるまで続けたい」と語った。
 実行委は、準備・運営に当たる委員や当日のボランティアを募集している。
 詳しくは、ホームページhttp://rflhokkaidou.ninja-web.net/から。

(北海道新聞より引用)